Education教育・新人レポート

新人看護師の“今” 第5回 「OPE室の世界」
新人看護師の“今” 第5回 「OPE室の世界」

皆さんこんにちは 教育担当です。
今回は「OPE室の世界」をご紹介したいと思います。

医療ドラマで、看護師がテキパキと手術介助を行う姿を見て、OPE室ってどんなところだろうと興味を持っている方も多いと思います。

今年度、OPE室には7名の新人が入職しました。
新人看護師は配属されると、OPE室の雰囲気に慣れることから始まります。
過緊張の状態では持てる力も発揮できません。
器械盤の前に立ち長時間の手術に耐えられる、気力・体力・技術を身に着けていきます。
職務遂行能力を評価するOPE室ラダー(器械出し編・外回り介助編)に沿って先輩の指導を受けながら、難易度が高い手術へと段階的に技術習得を行っていきます。
半年経過した現在、何百もの器械の名前が新人看護師の頭の中にインプットされています。

消化器外科の腹腔鏡手術の器械出しを行った、新人看護師Aさんの指導看護師Bさんにお話を伺いました。

指導のポイントは
「手術はチームワークです。器械の使い方を説明する際も、器械ばかり見てしまわないよう、術野を見ながら器械出しできるよう指導を行っています。
手術終了後、振り返りを行い、質問に答えながら、次に生かせるようフィードバックを行いますが、質問しやすい雰囲気を心がけています。
患者の安全第一を考えられる、OPE室看護師になって欲しいと思いながら、日々指導し成長する姿を見ると嬉しく思います」

Aさんにインタビューしてみました。
「配属されて半年が経ちましたが、手術前は、術式別マニュアルを読み、分からない箇所をマークして、自分で調べたり、先輩に聞いたり、調べたりしています。
また、参考書で、術式や疾患の学習をしています。
手術中の患者さんは、自ら言葉で表出することが難しい為、バイタルサイン等から患者さんの状態を読み取るようにしています。
褥瘡の予防や体温管理等を行い、術後の合併症を防いでいます。
また、器械出し業務は、器械を正確、安全に渡すことで手術時間の短縮になり、安全安楽な看護につながります。」
と力強く答えてくれました。

今回、新人看護師Aさんを通しOPE室見学では知ることのできない、周術期を支える、奥深いOPE室看護について興味を持っていただけたら幸いです。

プリセプター研修の様子をご紹介したいと思います。
プリセプターは新人看護師にとって一番身近な存在です。プリセプターの役割は、「メンタルヘルスの支援」「基礎看護技術を身に着けて、チームメンバーとして自立できるように指導や支援を行う」です。
院内でのプリセプター研修は、
5月に1回目「役割を再認識する」、
7月に2回目「自己の問題を明確化し解決策を決定する」、
9月に3回目「自己の目標達成度を評価する」
で構成されています。

9月末に行ったプリセプター研修では、プリセプターとしての自己の課題と成果をまとめたものを各自持参し、グループワークを行いました。

発表の中で成果として
「信頼関係を構築しストレスに早く気付くことができメンタル支援に繋がった」 
「病棟のチーム内で新人の進捗状況が共有できるよう働きかけができた」
「新人看護師の性格や良いところを引き出す指導が考えられた」
などお互いの成果を共有することができました。
人に「教える」ことは、自分自身が、正しい知識を持ち理解できていないとできないと学習する機会が増えたという意見も多くあり、屋根瓦方式教育「教える者」の成長に繋がっていると感じました。
研修は、全員で頑張った自分に拍手をして終了しました。
プリセプターとしての役割は9月で終わりますが、今度はチームメンバーとして新人の一番の理解者として、寄り添い続けてくれること思います。
次回も、新人看護師の“今”を是非ご覧ください。