今日は藤が丘病院の救急救命処置技術の講義と演習に密着しました。
講義のすぐ後に演習を行うプログラムなので、習ったことを即実践できます。
3日間にわたる研修で1日の参加新人さんは約20名と少人数。じっくり演習できます。
今回の演習には密着新人Y・Aさんが参加しています。
研修の講義と演習は救急分野の認定看護師2名が担当です。
救急看護認定看護師 K・Yさん
小児救急看護認定看護師 E・Mさん
Kさんの30分ほどの講義の後「救急蘇生の流れ、意識の観察」演習として
・気道確保・人工呼吸・閉鎖式心臓マッサージ
・気管挿管の準備と介助・チームへの応援要請
をそれぞれ体験します。
気管挿管の準備と介助
デモ用の人形を使用して、Eさんが医師役。
新人さんが看護師役で気管挿管の介助を演習します。
新人さんは日頃から救急カート内の物品を見て自己学習しているので、喉頭鏡やブレードの取り扱いはスムーズです。
Eさんの指示通りにスタイレットを入れた挿管チューブを渡します。
人工呼吸・閉鎖式心臓マッサージ・チームへの応援要請
夜勤帯を想定した急変対応。ラウンド時に急変した患者さんを発見し、ナースコールで応援を要請します。発見時に呼吸・脈拍を確認し、急いでナースコールします。
「○○さんが急変です!コードブルーをお願いします!救急カートとAEDを持ってきてください!」
大きな声で応援要請。すぐさま心臓マッサージ移行します。
心臓マッサージは押す部位・肘関節を伸ばした力のかけ方・速さ、と注意すべきことがたくさんあります。
メトロノームのBGMに合わせて胸郭がきちんと沈むまで押します。救急カート・AEDを持って応援役の新人さんがやってきます。
AEDの準備をしながら心臓マッサージを続けます。
AEDの計測によってショックを与えるときは声をかけ合って患者さんから離れ、またすぐ心臓マッサージと人工呼吸を開始。
実際の急変の場面さながらに行っているので、皆さん汗だくです。
練習の後は他者評価があります。発見者役、応援役、それぞれを評価していきます。
その待ち時間の間も教育担当者と人工呼吸の練習をしていました。
最後にチームアプローチの演習。
チームでリーダー役を決めてロールプレイをします。
予想外に、家族役の認定看護師Kさん達が急変現場に乱入してきました。
「お父さん!お父さんどうしちゃったの?看護師さん何でこんなことになってるんですか?お父さんは助かるんですか?」
と蘇生中の患者さんにしがみつきます。
予期しない急変にパニックになる家族の熱演ぶりに、新人さん達もびっくり!
それでも何とか家族を落ち着かせようと必死に対応します。
予想していなかった出来事ですが、患者さんへの対応だけでなく、急変時の家族への対応も学べました。
Yさんコメント
「私は学生の時から毎年、一般の方も参加できる救急蘇生の講習に参加しています。
今年も夏に開催されるので自分の休みを使って行ってきます。
救急蘇生は何回やっても慣れません。
人工呼吸も心臓マッサージもとても難しいです。
何度も訓練したいと思います」
Yコメント
「急変時の対応は時間との勝負です。
いざという時に動けるようにするには、行動が頭の中に入っていることはもちろん、
体が覚えていて反射的に動けるくらいの状態が必要です。
とっさの場面で救命を行うには、日頃からの訓練が欠かせません。
病院内だけでなく様々な場所で行えるように、繰り返し練習しましょう。
一般の方でも定期的にAED講習を受けている方が大勢います。
看護学生さん、看護師も負けないようにしたいですね」