Voice密着!新人看護師1年の歩み

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2018年 第14回「密着!新人看護師の1年間の歩み」~番外編 専門看護師・認定看護師と新人看護師の関わり④~

専門看護師・認定看護師クローズアップ4回目です。
昭和大学には112名の専門看護師・認定看護師が在籍し、様々な場面で活躍しています。
そのなかで新人看護師に対してどんな関わりをしているのかを紹介いたします!
横浜市北部病院 ICU所属 摂食嚥下障害看護認定看護師 K・Sさんにインタビューを行いました。


写真1:左から 新人Nさん 新人Mさん 新人Kさん Kさん

Q:普段はどのような業務を行っていますか?

A: 私はICUに所属していますので、ICU の看護師として入院している患者さんの看護ケアの実践と、部署の教育責任者として新人教育の環境を整えています。
また摂食嚥下障害看護認定看護師としてとして組織横断的活動もしています。
院内にいる摂食や嚥下に障害のある患者さんを、チームの一員としてラウンドし、状態を確認して口腔ケアや食事のアドバイスをしています。

Q:新人看護師にどのように関わっていますか?

A: 新人研修の講師として講義を担当しています。
健康な人は、食事の時無意識に食べたり飲んだりしています。そのため、摂食嚥下障害がどういうものか想像しにくいので、研修のときには必ず自分の口や舌がどのように動いて食べているか、体験しながら学習してもらいます。その上で、機能が低下している部分をどう補うか、看護師として何を援助していかなければならないかを身をもって考えてもらえるような研修にしています。
部署の新人教育責任者としては、1月ぐらいから年度末の評価に向けて、ラダーや看護基本技術項目の習得の進捗など、様々なチェック・集計を行います。そこから導き出された問題を来年度早期に解決できるように計画を練って行きます。
3月には次の年のチームリーダーと、翌年の新人に対しての計画を共有し、具体的な対応を決めていきます。それを4月から実施していく中で、チームリーダーだけでなく、病棟全体を見て、タイムリーに評価修正をしています。
私は夜勤もしていますので、毎日新人看護師とずっと一緒にいるわけではありませんが、部署にもう1名係長がいるので、連携しながら新人を見ています。

Q:部署の係長・新人教育責任者と、認定看護師として、新人さんへの想いを教えて下さい。

A: 新人を見ていると、早く仕事ができるようになりたいという純粋な思いがあるのが伝わってきます。
出来る技術を増やし、仕事を覚えていくのももちろん大切ですが、なぜ自分が看護師として成長していきたいのかを患者さんとの関わりの中で見つけて欲しいと思います。うまくいった事でも失敗した事でも「だから私は看護を続けて生きたい」と思える何かを見つけた人は、部署や環境が変わっても、ずっとその思いを求めて、自らを高めていくことができるからです。私も今まで忘れられない患者さんが何人かいて、その患者さんとの関わりの中で学ぶきっかけや考えさせられることがあって今の看護感が形成されたと思います。ですから、1人1人の患者さんとの関わりを大切にしてほしいです。ICUの入室は、患者さんにとって大きなイベントだと思います。看護師として患者さんにできたことは何だったか、患者さんの要望にそって関わることができたかを振り返って成長してほしいと思います。
摂食嚥下障害看護認定看護師として思う事ですが、患者さんの治療をする上で、もちろん医療行為が最優先になります。患者さんに装着される機器の管理などももちろん重要なのですが、だからこそ人間として通常の生活を感じる場面をいかに提供できるか、そういう状態に回復するための集中ケアであることを考えて行動できるかが大切だと思います。回復していく過程の中で、食べる・飲む・匂いをかぐ、という事が、患者さんの治る力を引き出したり意欲を引き出したりする場面が多くあります。チューブや点滴が当たり前なのではなく、本当は誰でも生活の中で喉が渇いたら水を飲む、とか、口から食べて満腹感を得て過ごすものです。その機能や気持ちを低下させないよう早くから取り組むことが重要ですし、部署の教育として必要だと思っています。
沢山の医療機器を使用し、重要な薬剤を扱って投与する、そんな難しい技術を実践している中でも、基本的な大前提である人間としての尊厳を忘れないで看護師として関わって欲しいと思っています。

Yコメント

「認定看護師、部署の係長であり新人教育責任者であるKさんからは看護における熱い思いを聞くことが出来ました。ICUという高度な医療を提供している場所でも、看護師としての基本は患者さんへの日常生活援助を行うことです。ナイチンゲールの看護覚え書きに書かれている、基本的な援助を思い出しながらも、高度な医療を安全に確実に行える看護師になれるよう、日々努力をしていくことが大切ですね」